あるばとろす廻転おべるたす

詩を書いてます。

補陀落浄土2020

星がひとつ落ちまして

世界はかなりざわついた

眼を閉じなくてもあの星影が

まだ瞬いているのに

あなたの置いていった指環

どうしたもんかと箱に入れ

星が落ちた日になくなったりしないかと

期待をこめて箱をあけてそっと閉じた

まだあった

誰かに選ばれようとしたって意味はないんだ

わたしが選んだのだから

そっと呟く補陀落浄土

あなたを見送ることもできないで

指環は手の中で光っている

そっと呟く補陀落浄土

ざわめく世界に消えていく