2020-12-30 丘 青い風が吹く 君の涙をさらう 悼む人の声 愛していると伝えたよ 瑠璃唐草が揺れたもの 凍えるような空気を共に 月のない夜に願いをかけよう 手放すものを書き出して 妄執も情愛も愁傷も 興味さえ湧かない 理解を拒んだ男はとうに忘れられた あまりの喜ばしさに思い出せない 一度でも心を許した罪悪だ 陽射しも当たらないところに押し込めたまま 瞳に映った君の世界で 描いたのは救済だ 亡霊もいないところになら 君は安心できるだろう 同情か憐憫か 信仰は自由であるのに 君はもうなにも見えない ひとりにもなれない