あるばとろす廻転おべるたす

詩を書いてます。

声を聴くことはなかった

さまようたましいをつかまえて壜に詰めた

青白く光っていていまのところ出口を求めているようには見えない

昼は液体になり乳白色でとろりとしていた

発光はしない、匂いもない

一昼夜ながめたあと夜に放すと

たましいはしばらく漂ってから消えた

れもん色の空を見ていて

閉じ込めたたましいは言葉だったと気付く

声にならずに言いそびれたことが本体から抜けて光る

抗議もない、憐憫もない

かたちのないものを言葉にしても言葉もかたちをもたなかった

閉じた眼に光が浮かぶように

刻まれる 見えないかたちで