あるばとろす廻転おべるたす

詩を書いてます。

灯籠


広くて狭い部屋にいた母の

面影がライラックの木蔭に

揺れて木洩れ日が廻る


グレープフルーツを詰めた

ワインの函に紛れ込む子ども

隠れ鬼の途中でうたた寝

仔猫が通りすぎていく


十二月の暦をめくる前に

くじらの尻尾めがけて

ジャンプした星々が夢見た

あの海の色、あの目の色