2019-10-23 灯籠 詩 広くて狭い部屋にいた母の 面影がライラックの木蔭に 揺れて木洩れ日が廻る グレープフルーツを詰めた ワインの函に紛れ込む子ども 隠れ鬼の途中でうたた寝 仔猫が通りすぎていく 十二月の暦をめくる前に くじらの尻尾めがけて ジャンプした星々が夢見た あの海の色、あの目の色