2020-03-30 涙が落ちる音 誰かに書いてもらった手紙の下書きを さっき燃えていたアンタレスのめだまの中に落としてしまった 持っていたくなくて 哀切をもって響いたオーボエ 愛していると呟いた男が 抱いていた白いカラーの花束 こだましている 流れ星が通る音 ヴァイオリンのE弦を滑る 弓と涙が落ちるときのそれに似ていた 好きな本の好きなところだけ読んだって いつかは続きを求める そういうものだと君は笑った