あるばとろす廻転おべるたす

詩を書いてます。

気付いた

4月はずっと続くのだと思っていた

黒猫に訊いたら残酷だとだけ答えた

時間が

それとも私がなのかい


血が滴る

世界は廻る

また暦が終わる


停滞しているのに

5月どころかその先もやってくる

すべては環だ

どこかでつけは払う

変わらないままでいたいと思ったはずなのに


小気味いい言葉を探すのをやめた

罪ではなく業だったからだ

道化の歌

会場にお集まりの皆様本日はお忙しい中ご来場いただきありがとうございます物語はこのあと皆様がご存知の通り雨が降って虹が出て星空が広がりますその瞬間を何度見ていただきましたでしょうか何度も足を運んでくださった方今日が初めてという方もいらっしゃいますねありがとうございます世界のことを他人のことを自分のことさえ変えられる訳がないのに無力感にさいなまれ何のために言葉があるのかと絶望し励ましも慰めもできない我が身を呪うけれどそのあなたのために音楽があり雨が上がり虹が出て星空が広がるのですそしてそれを共に見上げるそれこそが人類最後の夢祈りが実を結び永遠を手にする瞬間なのです

本日はご来場いただき誠にありがとうございました

またお会いしましょう

カーテンコール

彼のことで思い出すのは

夕焼け空を見上げて夜が来るのが怖いと云ったこと

でもいまはろくでもないから眠る直前で つまり悪夢のなかということにしていること

彼は死にたかったんじゃない 生きていくのが怖かっただけで

それは私もそうだ


布団に入ってすぐ眠れるならいい人生だ

あれほどの絶望がないからいい人生だ

死にたくなったことがあるからきっといい人生だよ


彼はどうしたかったんだっけ

たぶんすぐに眠れたら

どうもしなくてよかったんだ

人生は続く

影ができない人間になった

最近はずっとそんな感じがしている


人生の栄光と挫折

育んだ友情そして決別

恋、破局


伝わらない言葉に絶望した

わかりあおうとしてできなかった

人生の必修科目だ

あるいは人類の歴史だ

自分だけはそれができると思った業だ


光が強ければ濃くなる影

光が弱くなるように逃げ込んだ誰もいない建物の中で

安堵のため息をついたのもつかの間、影がなくなっていた


できなくなった影を求めて

さまよう私自身が影だ

第二の人生の幕開け

おかげで必修科目は再履修


影になってもそうでなかった頃とさほど変わらない

音のない雪の夜に振りかえってそう感じた

人生は続く

君が星なら

星って地球から見て隣接してるように見えるけど見えるだけで実はすごく遠いところにあったりする
星はそこにあるのが当然で買うものや手の届くものじゃないからつまりあまり欲しいと思わないものでもある
星はいま見えてももう存在しない場合もあってだから消えてたってわからない
空を見上げるときもある 見上げないこともある 星があると気がつかないときもある

だからねえ
君は星 なんて
遠くにいかないで
遠くにしないで
彼が絶望のなかで星も見えなくなってもうなにも聞こえなくて安息を暗闇に見出だして
それが彼の星で
だから星だなんて言わないで
君が星だったらなんて考えたくもない